
(※2020年12月22日に行われたウェビナー「海外駐在員よりフィリピン最新レポート! 渡航するには?現地の様子は?」より、内容の一部を抜粋したレポートになります。)
フィリピン 海外レポート
みなさん、こんにちは。
フィリピン在住の弊社駐在員より、ロックダウンが続くフィリピンの国内規制について生の声をお届け致します!
「現在フィリピンにおいては国内でマスク着用が義務付けられておりまして…」とWEB会議なのに、
マスクをしながら話始める栗田。さて、さっそく気になる現地情報を聞いていきましょう。
▶フィリピン政府の国内規制について
フィリピンでは4段階レベル(ECQ・MECQ・GCQ・MGCQ)の隔離措置が取られています。
この隔離措置は、人々の日常生活における外出の制限や、企業活動に制限がかけられ、
①ECQが最も厳格な措置、④MGCQにいくほど緩和されていきます。2020年3月17日から始まりました。
マニラ首都圏においては、3月17日〜5月15日の約2ヶ月間に一番厳しい①ECQ(別名:トータルロックダウン)が行われました。
ほぼ全ての業種が活動禁止。外出に関しても、食料や医療品の調達のみ認められていましたが、
門限があり夜8時~朝5時までは外出禁止、公共の交通機関は全て停止で、さらにこの期間は至る所に検問があり、
人によっては「マーシャルロー(厳戒令)の状態に近い」と言う方もいらっしゃいましたね。
①ECQから2ヶ月が経過し、②MECQになって、その後2週間ほどで③GCQで移行しました。
ここまでは非常にスムーズで、感染もある程度抑えられていたんですが、
8月上旬になって日々5,000〜6,000名の感染者が出てきまして、再度②MECQに戻りました。
その後2週間を経て、③GCQに戻り、現在も続いています。
③GCQでは操業可能な業種が拡大され、我々旅行業もやっとこの段階で50%稼働が認められ、営業可能になっています。
ただ、娯楽施設やバーなどは未だに操業不可。レストランに関してもやっとこの段階で入店での食事が可能、ただし50%の席数で、という制限があります。
公共の交通機関も再開しています。
隔離措置はエリアによって変わります。マニラ首都圏はGCQです。ダバオ市もGCQに該当します。
なお、セブを含めてほとんどの地方都市は④MGCQに該当しており、全ての業種が操業可能になっています。
こういった厳しい隔離措置が取られている中で、日本のように個人や企業に対して政府からの支援はほぼない状況下です。
逆に政府から企業へは、マスクや消毒液など感染予防に関わるものは企業負担で従業員に提供する、
保険を充実させる、場合によっては従業員の送迎サービスや会社の近くに宿泊施設を提供しなさい、というような通達がきています。
コロナ禍で各社売り上げが減る中でかなりの経費負担になっています。
日常におけるコロナ対策ですが、外出時のマスク着用は義務化されてます。
違反すると罰金・罰則が設けられています。12月15日からフェイスシールド着用も義務化されました。
そのため、マスクとフェイスシールドを着用しないと外出できません。
スーパーや職場に入るときは、必ずアルコール消毒と検温があります。
あとは、様々な場所でソーシャルディスタンスが徹底されています。
子供たちの学校ですが、幼稚園から大学までマニラに関しては完全にオンライン授業で、対面授業は一切行われていない状況です。
未成年・高齢者は基本的に外出禁止になっています。
国内移動に関しては、陸海空全てにおいて色々制限が設けられてます。
例えば、郊外に行くのに政府の旅行許可証が必要だったり、飛行機でどこかに行くときにPCR検査が事前に必要です。
他にも様々なルールが地方によって設定されており、正直我々も把握しきれていないのが現状です。
フィリピンの経済状況を一部数値化したんですが、まずは経済成長率GDPに関しては-11.5%。
フィリピンは毎年6~7%の経済成長を遂げていましたので、そこからかなりの落ち込みだと思います。
特に宿泊・飲食に関しては-52.7%という数字が出ています。
失業率は40%くらいになっています。労働人口から算出すると2,400万人が失業しているというデータになります。
これは民間調査会社のデータで、政府発表の失業率は毎月10%前後ということなんですが、
実際は「自宅待機で収入はないんだけど、一応雇用は維持されている」という状況の方は
政府統計の失業者としてカウントされていない部分があります。
そのため民間の会社から発表されている約40%というのが実際の数字を表しているのかなと思います。
こういった状況でもCPI(物価指数)はプラス2.5%、特に交通に関してはプラス7%というところで非常に厳しい状況があるんですが、
大統領の支持率は91%というデータが出ています。
コロナ禍での良化点をあげると「進化するキャッシュレス決済」としましたが、G Cash、PayMayaは、いわゆる携帯電話のペイメントアプリです。
このアプリは、BPIやBDOなどの大手銀行も含めてほぼ全ての国内銀行と連携してまして、これを利用して
コンビニやスーパー、公共料金も含めての支払いが可能になっています。
こうしてコンタクトレスやキャッシュレスのサービスというのが非常に充実してきています。
私自身もほとんど現金を持たずに生活できていますね。
▶footpanda
foodpandaという出前アプリは、コロナ前からあります。コロナによるロックダウンが始まってからは、ほとんど全てのレストラン・ファストフードで
このアプリを通じて出前ができるようになりました。
▶Grab
Grabはタクシー等の配車アプリとしてご存知の方がいらっしゃると思いますが、かなりサービスが充実していています。
ペイメントアプリはもちろん、宅配便のサービスやフードデリバリー、コンビニやスーパーのシャンプー等のちょっとした物を買いたいという時の
デリバリーにも対応しているので、非常に便利です。
▶LALAMOVE
LALAMOVEはどこかのオフィスに書類を届ける時によく利用するもので、引っ越しにも対応しています。
▶ここで栗田にQ&A!
Q. 移動の制限について、地方政府により異なるルールということですが、フィリピン国内線についての運航状況は現在いかがでしょうか?
国内線の便は少なくなってはいますが、ほぼ全ての路線の運航は再開しています。
Q. フライトキャンセル等あるので、都度お問い合わせいただければというところですね。
そうですね。
Q. キャッシュレスがすごく普及しているということで、こういったことの背景はどのように考えますか?
フィリピンの方で銀行口座を持っている方は20%くらいと言われていまして、そこが一番の背景になるかと思います。
口座がないのでクレジットカードの普及はほとんどしてないですし、そういったところですね。
Q. オンライン授業もかなり驚きました。幼稚園から大学までオンライン授業ということですが、問題なく進められていますか?
実際はWi-Fiの環境が自宅にない、経済的にパソコン等の授業に必要なガジェットを購入できない方がたくさんいらっしゃいます。
報道では300万人くらいが教育を受けられない状態にあるといわれていて、かなりの社会問題になっていますね。
Q. そんな中でも大統領の支持率が90%を超えるということで、かなりインパクトがあるんですがいかがですか?
コロナ前の支持率は80%代後半だったんですが、コロナになって更に上がりました。
日本での報道にもある通り過激な方で、薬物関連で人権を無視したり色々なマイナスな報道がされていますが、
フィリピンの方の捉え方って日本とは逆で、楽観的な思想だったりというところはあるんですけど、
取り締まりを強化したことによって治安がよくなってきたり、政府の汚職や不正がたくさんある中でそこを暴いて罰していたりという所が評価されている部分と、
そもそもコロナで経済が悪くなったのであって大統領が悪いわけじゃない、という考え方が一般的なんだと思っています。
Q. 現在ビザの新規発行は実施していないと思いますが、これが解除される見通しはどうでしょうか?
基本的に今はビザの発効は停止されておりまして、特別な理由がない限りは申請を受けてくれない、認可されないという状況になっております。
見通しに関しては正直全くわからないですね。ただアメリカ・ヨーロッパの一部でワクチンができてますけど、フィリピンにワクチンが届くのが
早くて5〜6月からだろうという報道があるのでもう少し時間がかかるのかなと個人的には思います。
▶現在のフィリピン支店での取り組み
フィリピン法人では、マニラ支店・セブ支店から様々なオンラインツアーを販売させていただいております。
これから出張・赴任予定がある方、特にフィリピンでの生活に関して個別質問がある方いらっしゃいましたら是非ご利用いただければと思います。
本日はありがとうございました。
▶最後に
フィリピンに行きたくても行けない、お困りの皆さんに弊社では営業代行・販売代行サービス「レンタルHIS」や
今フィリピンの詳しい様子を生中継して欲しいなど「オンライン体験」を承っております。
ご相談・ご要望等ございましたら以下ボタンよりお問合せ下さいませ。
12月22日に実施されたウェビナでは、2020年12月現在の「コロナの状況、入国条件」等をお伝えしております。
ご覧になりたい方はこちらの動画をご参照ください。